2015年8月3日月曜日

世界波動と日本波動の関係は・・・

世界の人口波動(世界波動)と日本の人口波動(日本波動)の間には、どのような関係があるのでしょうか。


①双方に5つの波動(石器前波、石器後波、農業前波、農業後波、工業現波)が見られます。

②この背景には、〔人口容量=自然容量×文明〕という式で、右辺の文明が石器文明、農業文明、工業文明と進むにつれて、人口容量が増加してきたという推移が指摘できます。

③石器文明、農業文明、工業文明の、それぞれの詳細な内容については、世界と日本ではやや異なっていますが、基本的な構造においては共通するものがあります。

④石器文明、農業文明には、それぞれ前期段階(粗放段階)と後期段階(集約段階)の、2つの次元がありました。工業文明にも、次の段階が考えられます。

⑤石器文明(旧石器と新石器)によって石器前波と石器後波が生まれ、また農業文明(粗放農業と集約農業)によって農業前波と農業後波が生まれました。その後、工業文明の前段階(粗放工業)によって工業現波(工業前波)が生まれたと考えれば、今後は後段階(集約工業)によって工業後波が生まれることが予想できます。

⑥新たな文明によって人口容量が拡大している間は、世界波動も日本波動も、ともに人口が増加・成長しますが、人口容量の限界に近づくにつれて、停滞・減少へ移行しています。

以上のように、人類は文明の発展に伴って人口容量を拡大させ、それとともに世界においても、日本においても、人口の増加・成長と停滞・減少を繰り返してきました。5つの人口波動が共通する要因はここにあります。

こうした視点に立つと、1960年代から提唱されてきた未来学、例えばD.ベルの「脱工業社会(Post-Industrial Society論や、A.トフラーの「第三の波The Third Wave)」論などは、あまりにも皮相的な展望と思えます。

現在の工業文明の次に来る文明は、D.ベルのいうような、知識や情報が中心となった文明などではありません。また農業革命、産業革命の前に石器革命があったという「第一の波」を見落したA.トフラーが、「第三の波」と予測したような情報文明でもありません。

両者とも、次の文明を「情報や知識が中心となる文明」と考えているようですが、それは単に人口増加が終わった後の「一時期」を表しているにすぎません。

人口の長期的な推移から見れば、いずれの人口波動においても、人口の停滞・減少期は知識や情報の比重が高まっています。石器前波、石器後波、農業前波、農業後波のそれぞれの後半は、いずれも知識・情報の時代でした。「知識文明」や「情報文明」などというものは、決して未来の文明などではなく、それは人口波動の停滞・減少期の時代的特徴にすぎないのです。

現在の工業文明、つまり粗放工業文明の次にくるのは、もう一段階高度化した工業文明、つまり「集約工業文明」だと思います。

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