2015年2月14日土曜日

魚類も個体数を抑制している!

魚類でも、幾つかの種で個体数抑制が報告されています。これらもまた、個体数抑制装置といえるもではないでしょうか。

グッピー・・・鑑賞用の熱帯魚グッピーを、餌を充分に入れた養魚鉢の中に雌雄とりまぜて50匹を入れておくと、卵が孵化する度に成魚が直ちに稚魚を全て食べて、個体数の増加を抑える。さらに成魚同士が共食いを始め、9匹になったところで個体数が安定する。生息密度の上限を越え始めた数を、グッピーは子殺しや共食いで抑制している(V.C.Wynne-Edward,Animal Dispersion in Relation to Social Behavior)。



ワカサギ・・・長野県諏訪湖のワカサギの体重は、多く生まれた時には軽くなり、少なく生まれた時には重くなる。メス1匹あたりの産卵数は体の大きさに比例するから、親が小型化すると産卵数も減少する。湖の生息環境は一定であり、数が増えると、1匹あたりの餌の分け前は少なくなる。そこで、体型の変化によって産卵数を増減し、長期的に個体数を抑制している(宮下和喜『絶滅の生態学』)。


マジロモンガラ・・・珊瑚礁に生息するマジロモンガラは、1匹のオスが大きななわばりを作って、その中に複数のメスの小さななわばりを入れる。オスは他のオスに対しては大なわばりを防衛し、またメスたちはそれぞれの小なわばりを防衛する。1つの珊瑚礁に作られるなわばりの数は限られているから、そこに入れなかったメスは産卵できない。その結果、珊瑚礁内での個体数が抑制される(日本生態学会編『生態学入門』)。
(古田隆彦『日本人はどこまで減るか』より再録)

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