2015年5月9日土曜日

出産奨励策は期待できるのか?

政策的な抑制は、政策的に行われる増加抑制政策と減少促進政策です。

増加抑制政策でいえば、現在の日本では、いうまでもなく出産奨励策を実施しており、中国の「一人っ子政策」や、戦後の日本が採用してきた産児制限策のような、いわば強制的な出産抑制策は全く実施されていません。

わが国の人口政策の歴史を振り返ってみると、下図のように戦前の人口容量拡大期には堕胎の禁止や産児調節の抑圧のような出産増加政策が実施されてきました。ところが
戦後になって、人口容量のゆとりがなくなってると、今度は産児調節の普及促進や新型避妊具の認可など、出産抑制策が急速に進んでいます。



れをみると、政治的な政策もまた人口容量との、密接な相互関係の中で選択され、かつ実施されてきたことがわかります。

20世紀末からは人口減少への不安が高まったため、わが国の政府は、経済的な理由による妊娠中絶を制限する「母体保護法」へと政策を転換しました。


けれども、この政策は、出産奨励策としては緩慢なものであり、戦前の「人口政策確立要綱」、いわゆる「産めよ増やせよ」政策のような、積極的な出産増加策には至っていません。

人口減少の不安は高まったとしても、その一方で人口容量の停滞不安が数多くの国民の中になお浸透している以上、そこまで強引な出産増加策をとることはまず不可能なのでしょう。

これまで述べてきたように、直接的、間接的抑制が既に作動していますから、政策的な次元において、もし強引な出産奨励策を打ち出したとしても、さほどの効果は期待できなのではないでしょうか。

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